答え合わせの仕方とか今さら言われなくても。
マルつけしてるし、
間違えたところも赤ペンで直してるし。
(大体みんな自分はできてるって思ってんだよね…)
効果的な勉強をしていくためにも、
答え合わせや直しの仕方について一度確認してみよう!
答え合わせ・直しにこそ力をいれるべし
国語の成績を上げたいけど…
どういう勉強をすれば力がつくのかイマイチよく分からない…。
いざ国語の勉強をしようと思っても「何をすればいいか」が分からないということはないでしょうか?
そのため、ひたすら漢字の練習をしたり、ひたすら問題集を解き進めたり…。
しかし、「どうすれば力がつくのか」というポイントがはっきりしないと、トレーニングしても上達している実感はなかなか持てません。やみくもに手をつけても空転してしまいます。
そこで勉強の仕方を考えるにあたり、算数・数学や理科・社会、英語など他の科目をどのように勉強しているかを思い起こしてみましょう。
どの科目でも「答え合わせ」の後に「直し」をしているはずです。
まさか、ほったらかしにはしてないですよね…?
どんな科目でも、成績を上げる原理・原則は至ってシンプルです。
「答え合わせ」をして「直し」をする、つまり、できなかった問題を正解できるようにすることです。
国語も同じです。
ただ、国語の場合はどのように「直し」をすればいいのかイメージがつかめないことが多いようです。
そこで国語の、特に読解問題の直しの仕方について説明していきます。
よろしくない答え合わせ・直しの仕方
○✕をつけるだけ。
そもそも○✕すらつけていないのであれば、まずはそこから始めましょう。
そうしないと、「何を直せばいいのか」「何を勉強すればいいのか」がはっきりしませんよね。
でも結構いるんです、〇✕をつけていない人が…。
大丈夫ですか?問題解きっぱなしになってないですか?
…大丈夫だよ(多分)。
そして、〇✕だけつけて終わらせてませんか?
〇✕をつけただけでは力はつきません。
「仕分け作業」が終わっただけです。
「何ができて」「何ができないのか」自分の現状が分かっただけなので、この時点では何も変化は起きていないのです。
(〇✕をつけてるだけ、まだマシなのかな…)
…。
ちゃ、ちゃんと直しもしてるって。
正解を書き写すだけ。
このパターンもよく見ます。
解答を見ながら「イ」に✕をつけて、その横に「ウ」と赤ペンで書いておしまい…。
または記述の模範解答をそのまま書き写して終了。
(正解を確認しているだけ、まだマシなのかな…。)
それは「直し」ではなく、赤ペンで答えを写しているだけ。
その作業をしたことで「その問題が解けるようになった」手ごたえはありますか?
また、仮にその答えを覚えたとして何の役に立つんでしょうか?
(そもそも覚えようともしてないだろうけど…)
同じ問題が実際の試験で出るでしょうか?
(オ、オレのノートを見られた?)
な、直しって他に何かやることあるの?
今、挙げたようなパターンにばっちり当てはまってしまった人…
全くへこむ必要はありません!
ほとんどの人が同じような状態です!
言い換えれば、ほとんどの人が「どうやって勉強すれば正解が出せるようになるのか」がイマイチつかめてないのです…。
具体的な方法に触れる前に、「直し」という取り組みで心がけておきたい点をもう一度確認しておきましょう。
それは、できなかった(✕だった)問題を正解できるようにする(〇にする)ことです。
✕を〇にしてはじめて点数は上がります。
シンプルで当たり前のことですが、学習する上で忘れてはいけない重要な視点です。
この意識が薄くなってしまい、「直しのようにみえる作業」をこなしているだけという場合が往々にしてあります。本当に「直し」たと言えるのは、✕だった問題をいつ何時出されても「正解できる」と確信できたときです。
よい答え合わせ・直しの仕方
ノート・問題集に〇✕をつける。
✕問題を○にするために必要な下ごしらえなので、必ずやりましょう。
「何を直せばいいのか」「何を勉強すればいいのか」をはっきりさせることが最初の一歩です。問題を解き終わったらおしまい、ではないのです。
え?ノート?
問題集に直接書きこんじゃってるけど?
(やっぱりな~)
なるほど。ってことはキミ、解き直ししてないな?
ぐっ!?
先生によっては直接問題集に書きこむように指導されていることもあるようですが、ちょっと考えてみてください。
「✕を〇にする」ということは
✕(1回目)・〇(2回目)で少なくとも2回は演習する必要があります。
全問正解でない限り、解き直しは必須のはずです。
問題集の解答欄にすでに答えが書きこまれていると、2回目(以降)の問題演習を行う際にかなり不便ですよね。まさか、解答欄の答えを全部消しゴムで消してからもう1回解く、なんてしないでしょうし(解答欄に模範解答を赤で書きこんでいることもありますし…)。
…いや~解き直すって言っても、1回読んだことある文章だし…
答えも知っちゃってるから、多分やり直してもあんまり効果ないっつーか…
(多分…だとぉ?)
ほうほう、そっかそっか。キミは優秀だなぁ。
一回やったことがある問題はもう一度やっても絶っっ対に正解できるってことか。
…ホントだな?
えーっと…いやぁ、あの…
他の科目では当然のように直しをしているはずなのに、なぜか国語だけは直しをしていないこともよくあります。それで「国語の成績が上がらないなぁ…」とか、どの口が言っちゃってるんだと思います。
言葉が強い…
原則はノートに演習をして、解き直しができるようにしておきましょう。
そして、ノートに演習・丸つけをするということは、問題集はまっさらのはずです。しかし、そのままでは直しをするときに不便です。
直しの際に、どの問題を間違えたのかノートをいちいちチェックするのでしょうか?
多分しないでしょう。なぜなら面倒くさいからです。
そもそも解き直しだって面倒くさいです。
そうやって面倒くさいことが重なってくると、結局やらなくなります。
そうすると、✕は✕のままです。できるようにはなりません。
人間ってそういうものよね…
だから、ノートに丸つけをしたタイミングで問題集にも〇✕をつけます。
当然、一番最初は面倒くさいでしょう。ただ、先に述べたように直しすることを考えると、問題集に〇✕をつけておいた方が圧倒的に楽です。
2,3回実践すれば手間は気にならなくなるはずですし、習慣になれば全く苦ではありません。
解答・解説をフル活用
直しをするにしても「何を直せばいいか」が具体的になっていないことも多いのではないでしょうか。そこで活用したいのが「解説」ページです。
問題集には当然ですが「解答・解説」が付いています。
そのうち、大部分は「解説」です。どういう考え方で答えに至るのか、が説明されている大事なところです。
算数・数学で言えば、途中式や補助線を加えた図が載っている部分です。
算数・数学の場合、解説がなく解答だけだったら、どう思いますか?
「ちょっとちょっと!ノーヒントかよ!」とツッコミたくなりませんか?
ところが国語になると、「解説」を確認していない生徒が多くいます。
「確認している」と答えた場合でも、よく聞いてみると「読んでいる」だけ…。
一回読んだら解説の内容をマスターできそう?
いや?無理ですけど。
な、なんて純粋な目をしてるんだ…!
少し別の見方をすると、
お金をはらって「解答・解説付き問題集」という情報のかたまりを手に入れているわけで、
その中でも重要、かつかなりの分量が「解説」です。
それを活用しないのはハンバーガーを買ってお肉を捨てているようなものです。
そんなもったいないことをする人は、もったいないオバケに喰われてしまえばいいのです。
では具体的にどのような作業をすればいいのでしょうか?
それは解説ページと本文を照らし合わせながら、答えまでの道筋をチェックし、
何を根拠に、どういう理屈で答えにたどり着いているのか、をノートにまとめることです。
「まとめる」という作業が難しいうちは丸写しでも構いません。
本文のどの部分に注目して、
どのような考え方で答えに至っているのか、
を自分に落としこんでいくことが重要なのです。
この部分が国語における直しの最重要ポイントです!
だから、やっぱりノートを使って学習してほしいな。
ノートに問題を解くだけでなく、直しの時に自分の頭の中を整理していくために、
問題を解くために必要な知識や考え方を記録するために、
ノートをフル活用しよう。
あの~ちょっと言いにくいんですけど、
面倒くさいっていうか…。
うん!面倒くさいね!分かるよ、その気持ち。
でも聞きたいんだけど、楽して問題が解けるようになると思う?
うぐっ。
そういうわけじゃないけど…。
でも、ほら、すごい時間がかかりそうだし!
うん!時間かかるよ!キミの言う通り。
でも聞きたいんだけど、時間をかけずに問題が解けるようになると思う?
算数でも英語でも理科でも社会でも、
ピアノでも野球でもサッカーでも筋トレでも、
「楽して」「時間をかけずに」上達すると思う?
国語だけは別だと思う?
…やるよ。やりますよ。
(めっちゃ論破してくるじゃん…)
- ノート・問題集に〇✕をつける
→「何を直せばいいのか」「何を勉強すればいいのか」をはっきりさせる - 解説ページを確認して内容をノートにまとめる
→本文のどの部分に注目して、どのような考え方で答えに至っているのかをおさえる
注意するポイント
不十分な解説を鵜吞みにしない
ただし、自分で直しを進めるには解説が不十分な問題集も(残念ながら)存在します。
それは「その解説では模範解答のような答えにはたどり着かないでしょ」とツッコミたくなる解説です。
例えば、記述の模範解答が50字近くあるのに解説が1行とか…。
また、「この文章は~~~ことを述べているのである」といった、根拠を示さずに決めつけたような解釈で断言している解説とか…。
いずれもの場合も、答えまでの道筋が途中で飛躍してしまっているのです。算数の解説などで譬えると、「その数字(式)どこから出てきたの?」というパターンです。
紙幅の関係で必要不可欠な解説に絞っているのかもしれませんが、そういう解説は要注意です。
なぜなら、答えまでの道筋がはっきりしていないものを勉強しても「次やったときに正解できる状態」にはならないからです。
解説ページに書いてあると
「うーん、そうなのか~」
「そういうふうに読むものなのか~」
とか思っちゃうかもなぁ。
だから、そもそも解説が充実している問題集を選ぶってことも重要だよね。
塾で指定されてたりして自由に選べないってこともあると思うけど…。
なお、設問によっては解説がそもそもない、というもっと厳しいケースもあります。
本文のその部分に注目するのはなぜか?を考える
本文から根拠を出して答えまでの道筋を示している解説でも、「そもそも、なぜ本文のその部分に注目するのか」がはっきり説明されていない場合がよくあるので、それも注意が必要です。
この場合は自分で考える必要がありますが、手がかりは設問や傍線部を含む一文に含まれていることが多いです。
「どうやって手がかりを探すの?」と思ったら
→【読解問題の解き方を解説】設問から答えにアプローチする手順【基本編】
「設問の何をチェックすればいいの?」と思ったら
→【読解問題・基本のき】国語が苦手な人→「設問分析」のススメ
意味調べも答え合わせの段階で行う
解説ページには、重要な語句の意味が説明されていることも多いです。
これはぜひ活用したいところです。
なぜなら、辞書で意味調べをすると複数の意味が載っていて、どの意味が本文の内容に合致するのか取捨選択しないといけないこともあります。
また、辞書の記述そのものが難解な語句を使っていて、その語句の意味調べをするハメになる、ということもあります(それらも含めて勉強だとも言えますが)。
他の科目の勉強があったり、別でやらなければならないことがあったり、と時間が限られている場合に
解説ページを活用することでおさえなければならない知識を効率よく手に入れることができます。
また関連知識など役立つ情報が載っていることもあります。
それらをノートに書き出しておきましょう。
仕上げにもう一度解く
まだあるの!?
もういいでしょ…
オレは頑張ったでしょ…
いや、分かる!気持ちは重々分かるんだが、
✕が〇になっているか、「分かる」から「できる」になったか確認することが重要なんだ。
キミの努力を実らせるための仕上げなんだよ。(だからやりなさい)
国語の読解問題をもう一度解くことに疑問を持つ人がいます。
一度読んだ文章だから内容は分かってる。
答えまでの理屈も分かったのにもう一度解く意味はあるのか!?
同じ文章、同じ問題は基本的に出ないのにもう一度解くのは無意味!
直しに時間がかかりすぎる。
他の読解問題を解いた方がいいのでは?
気持ちは分からないでもないですが、ここで改めて他の科目の勉強を思い返してみてください。
一度解いたことがある問題を、答えまでのプロセスも正解も分かった上で改めて解いているはずです。そして解いてみてはじめて「できる」ようになったかが明らかになります。
他の科目でも「同じ問題は基本的に出ないが、似たような問題が出る」という前提でくり返し解いているはずです。
どういう道筋を通って正解にたどり着くのか。
その解き方・考え方を身につけずにあれこれ問題に手を出したところで良い結果は得られないでしょう。
他の科目では解き方・考え方を習得するために時間をかけていると思います。
そう考えると、できなかった問題を正解できるようにするためには、国語ももう一度解くところまで必要であることが納得できると思います。
確かに手間はかかります。
しかし、着実に問題を解く力がついていくので、ぜひ実践してほしいと思います。
正解にたどり着くまでの道筋をおさえられているか、問題をもう一度解いて確かめる
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