ぶ、分析?
そんな難しいことできる自信がない…
「分析」といっても何か専門的なことをするわけじゃないよ。
問いに適切に答えるために必要な情報を見つけることが設問分析だよ。
問いに答えてはじめてマルがもらえる
基本的なことだけど、
設問ちゃんと読んでるよね?
当たり前じゃん。
何をいまさら、そんな分かり切ったことを…。
…。
「当てはまらないものを答えよ」っていう問題で、「当てはまるもの」を答えたことない?
「2つ選べ」って問題で、1つしか答えてなかったことない?
うっ…!
ま、まぁ長い人生、1回や2回はそんな過ちも…。
…。
「問い」を正確に把握してはじめて適切に「答え」ることができるんだよ。
設問で指定されている条件をもれなく満たす必要があるってことに注意してな。
「何を」答えるのかをはっきりさせる!
本文は隅々までくり返し読んでいるのに、設問をちゃんと読んでいない人っていますよね。
そういう人って
「多分こんなことを聞かれているんだろう」と勝手に問いの内容を決めつけていたり、
「早く答えを探さなきゃ」となぜか急いでいたりしませんか?
いずれも本文の中身にばかり目がいっていて、設問を正確につかめていないのではないかと思います。
これは真っ先に修正しなければいけないポイントです。
読解問題を解くことは「読書」とは違います。
本文を題材にして「問いに答える」作業です。
すなわち、「何を問われているか」を正確につかめないと、正確に答えることはできません。
たとえるなら、借り物競争で何を借りるのか正確に把握してないと、そもそも借りることができないようなものです。
「どのように」答えるのかをはっきりさせる!
また、答え方にも注意する必要があります。
日常会話と同じ感覚で答えているとバツにされることがあります。
問いに的確に答えないとマルはもらえません。
例えば、「キミ何歳?」という問いに対し、
「ボクは小6です」と答えるのは厳密には的確な答え方ではありません。
問いは学年ではなく、年齢を問うているからです。
「うわ、超めんどくさいコイツ。学年分かれば大体の年齢分かるじゃん」と思うかもしれませんが、読解問題の答え方では必ず守らなければならないルールです。
そういう細かいところをきっちりおさえて答えることを心がけましょう。
疑問語に注意
その問題で「何を問うているか」をはっきり示しているのが疑問語です。
そのため、問題に的確に答えるには疑問語を正確にとらえることが不可欠です。
疑問語とは、↑の画像にあるような5W1H(何・なぜ・だれ・いつ・どこ・どのように)が基本ですが、国語の読解問題では「何か」「なぜか」を問われることが多いです。
「何か」を問う場合は「どういうことですか?」「どういう意味ですか?」という疑問語が使われます。また「なぜか」を問う場合は「なぜですか?」「どうしてですか?」「理由を答えなさい」という問われ方をされます。
それぞれの問われ方に対して、的確に答えることが大切です。
問いに答える場合は「答え方」にも注意が必要
例を挙げると、記述問題で「どういうこと?」という問いに対し「〜だから。」と解答する生徒がいます。
当然、✕です。
「どういうこと?」という問いに対する答えの末尾は「〜こと。」になるのが原則です。
問いと答えの末尾は対応しています。
記述問題では、問いから文末表現を決めることが解答作成の第一歩です。
- 「どういうこと?」→「~(という)こと。」「~(という)[名詞]。」
- 「なぜ?」「どうして?」→「~だから。」
- 「どういう気持ち?」→「~(という)気持ち。」「~[心情を表す語]。」 など
国語の問題の答え方にはルールがあります。
そのルールに則って答えることが必要です。
しかし実際には、的確に答えられていない人がいます。
(大人でも質問に的確に答えられない人はいますが…。質問に質問で返す人もいますし…)
日常会話ではさらっと流されておしまいですが、国語のテストではきっちり✕をくらいます。
✕をくらわないために答え方も意識してトレーニングしておきましょう。
設問指示に注意
基本中の基本ですが、設問指示を正確にチェックしましょう。
設問で指定されている指示=条件を満たしていないと正解になりません。
・適切なものを選ぶのか、適切でないものを選ぶのか。
・1つ選ぶのか、全て選ぶのか。
・算用数字で答えるのか、漢数字で答えるのか。
・漢字で解答するのか、ひらがなでもよいのか。
・書き抜くのか、文章中の語句を使って答えるのか。
などなど…
「必ず設問指示に沿って解答する」ことを意識して練習しましょう。
「適切でないものを選べ」と指示されているのに「適切なもの」を答えていたり、
「当てはまるものを2つ選べ」と指示されているのに「1つしか」答えていなかったり、
そういうミスで、本来正解できるはずの問題が✕になっている人が必ずいます。
そして、そういう人は大体こう言うのです。
あちゃ~ケアレスミスだわ~(笑)
正解できるはずの問題を外しておいて「ケアレスミス」の一言で済ませている人は、そのミスの深刻さが分かっていません。
例えば、サッカーW杯日本代表の試合、
がら空きのゴール前でフリーの選手がシュートを外して…
「てへっ。ケアレスミス☆」
こんなセリフをシュートを外した本人がのたまったら、あなたは許せますか?
何やってんじゃあ!ドラァ!
ミスしてヘラヘラしてんじゃねぇ!
と、鬼の形相で怒るでしょう。
その怒りをケアレスミスをした自分に向けてください。
ケアレスミスをすること以上に、「ケアレスミスを大したことだと思っていないこと」が根本的にまずいのです。意識を変えることが重要です。
そして、同じミスをくり返さないように徹底的に対策を練りましょう。
・設問指示に傍線を引く、指差し確認する
・何を問われているのか声に出して確認する
など、具体的な方法はいろいろあると思いますが、
大事なことは「設問の指示を正確に把握すること」です。
そしてミスをしてしまったら「同じ過ちを犯さないこと」です。
くり返しになりますが、読解で重要なのは「問いに的確に答えること」です。
極端にいえば、文章の内容がつかめていても設問に答えられなければ得点できません。
ゆえに本文の内容だけでなく、同じぐらい設問文も注意深く確認していきましょう。
設問を確認し、「何を」「どのように」答えるべきかを正確におさえましょう。
設問文にヒントがある
本文がそもそも長いのに、設問の文章まで長くてワケ分かんなくなっちゃうんだけと…。
もっとシンプルにできないもんかね!
それを理解できてるかをみるために問題を作ってるわけだからねぇ…。
でも設問の文章が長いっていうのは悪いことばかりじゃないんだよ。
指定語句も指定字数もヒント
設問で与えられている「条件」は「ヒント」です。
たとえば、「〇〇という語を使って答えよ」という条件があるなら、本文中で「〇〇」が書かれている箇所にまず注目しよう、ということです。
その周辺をチェックしていくと答えに必要な内容が見つかることが多いです。
え…。ヒントだったの?
面倒くさい条件だな~ってずっと思ってた…。
また指定字数もヒントです。
「〇〇字以内で答えよ」という条件なら、その指定字数マイナス5字以上になるはずです。
具体的な例を挙げると、「50字以内で答えよ」という場合、解答の字数は45~50字になると見当がつきます。
もし字数が10文字近く、またはそれ以上に足りないなら「答えに盛り込むべき要素を見落としているのではないか?」と考えることができます。
「指定字数の8割」と教わることも多いと思いますが、個人的には原則「指定字数マイナス5文字」で教えています。
例えば「50字以内」の8割だと40文字になります。であれば、最初から「40字以内で答えよ」と指示するはずです。10文字も差があるのでなら答えに含めるべき語句が抜けている可能性があります(もちろん「40字以上50字以下で答えよ」という指示なら別です)。
そのほかにも、
「(本文の内容について)次のようにまとめました。空欄部分に当てはまる言葉を文章中から探しなさい」という問題が出されることがあります。こういう問題では、答えの手がかりになる空欄周辺の語句に目がいきがちですが、空欄とその周辺以外の部分も役立ちます。
本文の内容を手短にまとめてくれている要約文になっているため、長くてごちゃごちゃした本文の内容を簡潔にとらえることができます。
選択肢もヒントになる
選択肢もヒントになり得ます。
全ての選択肢に共通している内容はその文章について確定していることですから、長い本文を読むより効率的に内容をつかむことができます。
また、複数の選択肢に共通して含まれている語句はキーワードとして捉えられます。
本文を読む際は、その語句を軸に周辺の内容をチェックしていくとよいでしょう。
一方、それぞれの選択肢の違いに着目すれば、本文のどの部分に焦点を絞ればよいかが分かってきます。
設問の内容をおさえることで本文のどこに注意すればいいかが分かる
昨日、仕事の帰りにスーパーで晩ごはんのお弁当を買ったのね。
帰宅するタイミングだと半額だったりするからお得なんだよ。
昨日は疲れたからガッツリ食べたいなーとか思って、
それで…(以下略)
い、いきなりどうした?
おっさんの晩メシとか興味ないんだけど…
…ということで、ここで問題です。
昨日の晩ごはんの弁当は何円だったでしょう?
知らんわ!
そうなんだよ!
後から問題を出されたら、もう一度話の内容を確認しなきゃいけないよね。
でも、「弁当の値段を聞かれる」ってあらかじめ分かってたら、
話を聞いてる段階で、弁当の値段に関係する情報に注意を払うでしょ。
読解でも同じなんだよ。
実感してもらえた?
…いや、そーじゃなくて、おっさんの晩メシの話に興味ない…
あらかじめ「何を問われるか」が分かっていれば、「何に注意して文章を読めばいいか」という事前準備ができます。
テストでは限られた時間の中で問題に解答しなければならないので、できる限り余分な手間をなくしていけるといいですね!
設問分析をして
・「何を・どのように答えればいいのか」をはっきりさせる
・本文のどこに注目するのか絞りこむ
・効率的に本文の内容をつかむ
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